花が咲いたら種の同定

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3月のくせに寒い期間が終わり、春になった。通っている大学のキャンパスでは、木に花が咲いた。この大学の花壇は先人が好き好きに木を植えたようで、花壇ごとに木が違い割とカオスである。いつも通る花壇の木には、白とピンクの花が満開に咲いた。

図1:満開の?
図1:満開の?

3年通っといて今更だけれども、この花の種が何なのか気になる。生き物の種を明らかにする行為は「同定」と呼ばれる。ということで同定をやってみた。植物は専門外なので、素人ながら同定に使えそうだと思った特徴と、同定作業でそれらが使えたかを以下に列挙してみる。

  • 雄しべの付き方、色→黄色、赤など違うけど、時間的変化によるところが大きいので、種の特徴として使うのは難しい。
  • 花弁(花びら)の数→八重咲きは多くの種にあってあまり参考にならず。

  • 萼の数、形→これは使えた。先端が丸まってるか尖っているか、数は花弁(はなびら)の数と同じか異なるかなど。
図2:花の裏側から撮った萼。
図2:花の裏側から撮った萼。

答えにたどり着くには遠そうだったので、春に咲く花でネット検索したら、以下の特徴を新しく知った。主に桜、梅、桃の見分けに使うそう。

  • 節から生えている花の数→1つなら梅、2つならハナモモ、複数なら桜。これがかなりわかりやすかった。
図3:1つの節から2つの花が生えている。その1。
図3:1つの節から2つの花が生えている。その1。
図4:1つの節から2つの花が生えている。その2。
図4:1つの節から2つの花が生えている。その2。
  • 節から花の距離→ゼロ距離は梅、桜は目立つくらい長い、短いのがハナモモ。桜はすぐわかる。
図5:節から花まで距離がある。
図5:節から花まで距離がある。
  • 花と葉が1つの木に共在しているか→前述の節から花の距離だと、梅とハナモモの区別がつかなかったので、これに頼った。梅は共在しない(花が落ちてから葉が茂る)が、ハナモモは共在するらしい。
図6:花と葉が1本の木に共在している。
図6:花と葉が1本の木に共在している。

以上の特徴から、ハナモモだと判断した。梅だと開花が遅い気がするし、桜とハナモモの開花時期は近いそうなので、正しいはず。わかってすっきりした。ちなみに、ハナモモは桃の実がならないモモ。桃の実がなってたら、もっと早く目をつけていたはず(食べるのが好きなので、隣に生えてる金柑は初年度から実を取って食べている。誰も採っているのを見たことがない、勿体無い〜)。

調べても使うには難しそうな特徴もあった。

  • 木の色→茶色、黒っぽいはあるけど当てになるほど区別できない。これがわかる人は、専門家なのでは?
  • 表面の模様→縞は見えるけれど、あんまり、自信がない…。

葉に着目して形や色から探すのはさらに難しく感じる。先端が鋸みたいにギザギザになってたら特徴として使えるかも。

研究には分類学の分野があって、分類学者は図鑑に載っていない種を新種として記載する。その作業を知っていると、種が分からないという問題に対して、図鑑を調べて記載のある種を見つけるか、見つからなかったら新種として記載する2つの解決法の選択肢がとれるようになる。答え(種)がわからないとモヤモヤするけど、新種として記載する選択肢があると、答えを新しく作る方向に転換できるからわからない気持ちを消化できて嬉しい。

と、分類学に思いを馳せてみた4月頭。

豆知識

手っ取り早い方法として、スマホをかざすと植物の種を示してくれるアプリ「ハナノナ」がある。映り具合で精度が変わるので、ヒントとして使うと丁度いい。最近はGoogleレンズの精度が高いので、よく使っています。

ハナノナ - 花認識サービス - STAIR Lab.

余談

自分は魚類の分類に大変お世話になっていて、種を同定するときはまずこの本を見ています。

「日本産魚類検索 : 全種の同定」中坊徹次・編(東海大学出版会)

日本産魚類検索  中坊徹次(編) - 東海大学出版会

この本は外見の情報についてYes/Noフローチャートを進めていくと種が同定できる図鑑です。魚に明るくなくても使える。魚類学への参入者にとってありがたい本なのに、絶版になっていて大変残念。

このブログを読んだ方、植物にも同じような本があれば教えてほしいです。

余談2

3年前くらいから、毎年3月末に目が乾燥してショボショボする感覚があったけど花粉症なのかな?アレルギー検査では、スギ陽性です…。